作業実績
2023.03.23
トラブルシュートのスキルが問われる案件で入庫のV36スカイラインです。
今回入庫しました、案件はユーザー様が他店様にて症状のトラブルシュートを依頼されたところ、数日後、正直に「当社では原因が掴めない」と申告を受け、当店にて修理の依頼に来店されました。
今回の案件は修理作業自体は至って簡単、但し、闇雲に部品交換すると何が原因なのか判らなくなり、容易く沼にハマってしまう修理内容となっております。
整備士としてのトラブルシュートのスキルが試される案件です。
お客様からのお問い合わせではエアコンが効かないとのこと、冬季ですで主に暖房が効かないとのことでご来店頂きました。
先ずは症状の確認です。
エアコンコントロールユニットを操作しマニュアル操作をしたところ、ブロワファンが回りません。
ここで、確認できることは、ブロワファンレジスターの焼損、ファンモーターのショート、コントロールパネルの基盤不良と考えてしまいます。
この車両をセオリー通りに順を辿って診断してみたところ、レジスター一体型のファンモーターで無段階のファンレジスターが装着されています。
ファンモーターASSYがかなり高額なため、ファンモーターの取り換えは一旦視野から外します。
ここで単純にファンモーターの動作不良と安易に判断すると交換したファンモーターが動かない可能性がでてきます。
そこで、次に疑いが出てくるのがエアコンコントロールユニット。
但し、この部品もナビ一体型のマルチユニットとなりますので、かなり高額な修理となってしまいます。
エアコンコントロールユニットの故障も無くは無いのですが、各サーボモーターの動作を見る限り命令信号はちゃんと出ているようなので、コントロールユニットも視野から外します。
次に診断していくのは電源回路。
通電状況を追いかけていきます。
配線図を元にファンモーター~ヒューズ、ヒューズ~リレー、リレー~コントロールユニットと電気の流れを逆流して追いかけていきます。
先ずは、ヒューズの確認ですがヒューズは飛んでいない。
次はリレー・・・っと・・・見つけました。
ファンリレーを他のリレーに差し替えて動作を確認したところファンも正常に作動し原因判明いたしました。
ブロワファンリレーを新品に交換し修理完了。
ホント、今回は久々にトラブルシュートのスキルが試される修理事例となりました。
今回の原因と故障個所が特定しにくいトラブルのようなケースはネット情報や過去の修理事例だけを頼りに修理をすると沼にハマってしまうケースも多々あります。
車両の回路の構成(エンジンやミッション、足回り・ブレーキも含む)を元に部位の切り分けて頭の中でフローチャートを確立していくことでトラブルシュートのスキルは向上していけると思います。