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作業実績

2022.10.06

VIVIO RXR エンジンフルオーバーホールです。

エンジンブローの連絡があり緊急入庫したVIVIO RXRです。

部品の生産廃止が相次ぎ修理もままならない状況でエンジンブロー。

修理の難航が予想されますが、まずは症状を確認しないと修理の方向が見出せませんので、まずは状況確認です。

試運転してみたことろ、エンジン始動とアイドリングは特に問題無し。

シリンダー、ピストン、ピストンリングは問題なさそう。

エンジンの回転を上げていくとカンカンカンと甲高い打撃音が発生。

回転軸に問題あり。

クランクシャフト・コンロッド・カムシャフトの何れかの焼き付きのようです。

このエンジンをオーバーホールしようにも既にピストンがSTD・オーバーサイズとも生産廃止で在庫なしで入手不可。

リビルド・エンジンも全滅の絶望的な状況。

ベースになるエンジンを探して入手可能な部品でOHする方向で修理開始です。

ベースとなるエンジンですが、RXRのエンジンは当時の車の使用状況から却下。

ビストロも生産廃止からかなり年数が経ち中々、程度と予算の合う中古エンジンが見つからず絶望的。

プレオのエンジンで探して、ようやく、OHベースとして予算的にも程度も良好なエンジンが見つかりました。

プレオのエンジン補器類は全て外して、エンジン本体のみ使用します。

ブローしたRXRのエンジンを降ろして、必要な補器類やエンジン内部部品を取り外すため一時保管。

ベースエンジンを分解。

中身の状態確認です。

一見、状態は悪そうに見えますが、この程度の汚れ方は至って普通。

可もなく不可もなくと言ったところでしょうか。

ここから、更に各部品を分解して洗浄していきます。

シリンダーヘッドの洗浄。

シリンダーヘッド、洗浄後の状態は概ね良好!

バルブも良好でした。

シリンダーブロック、所謂、腰下部分。

こちらは洗浄してみると、クランクシャフト・ピストン、コンロッドと交換済み??

どうやら、フル・リビルドの当りのエンジンを引いたようです。

今回のオーバーホールで入手できたパーツ。

ガスケットキット、クランクメタル、コンロッドメタル、ピストンリングを交換していきます。

続けてシリンダーヘッド

全てバルブを外して洗浄しステムシールの打ち換えとシム調整です。

すべてのバルブを外して、バルブフェイスを擦り合わせて、バルブの当りだし。

バルブを組んだ後、バルブクリアランス調整。

ここで、エンジンの調子の大きく影響してくる部分ですので、手間はかかりますが可能な限り追い込んでいきます。

バルブフェイスの擦り合わせが終わりオイルリフターのシムとカムシャフト(再使用)ブローしたエンジンから取り出してクリアランス調整。

ロッカーアーム式やラッシュアジャスター式は調整に左程手間取りませんが、オイルリフターのシム調整は2/100単位でシムの厚みが違い適切な厚みのシムを選んで

各バルブのクリアランスを追い込んでいく、気が遠くなるような作業です。

エンジン本体の組み立てに目途が立ちバルブカバー・インタークーラー・インテークマニホールドの化粧直しです。

エンジン本体の組み立て。

エンジン本体を組み立てていきます。

この車両、ブロー直前にタイミングベルト・ウォーターポンプ・ノックセンサーを交換していましたので、再使用。

クラッチのオーバーホールも済ませてミッションを組み込み。

エンジン後ろ側の補器類(A/Cコンプレサー・オルタネーター・P/Sポンプを組み込んで車両に換装準備です。

エンジン換装。

エキマニ交換時にO2センサーを外そうとしたところ緩まず、嫌な予感・・・

修理アルアルですが、O2センサーねじ込まれてねじ山が潰れていました。

エキマニがのねじ山を修正してO2センサーを交換となったところで、またもやO2センサーが純正・社外品とも生産廃止で在庫なし。

ここまで組んで、この仕打ちは・・・これは・・・流石に途方に暮れましたが、突破口を見出すために海外にまで部品捜索の範囲を広げて何とか入手し難を逃れました。

無事にエンジンの載せ替えが完了してエンジンをクランキングして十分にオイルを回してエンジン1発始動!

カプラーのつなぎ忘れやボディーアース・エンジンアースの付け忘れ、各ボルトや部品の締め忘れ等、最終確認を何度も繰り返して試運転。

RXR特有の下からダイレクトに効いてくるスーパーチャージャーのトルク感や車速の伸びを体感。

無事作業完了いたしました。

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